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漢方治療について

炎天下に長期間いると我々は皮膚がんになります。しかし、同じ条件で縄文杉は何千年もの間、命脈を保ってきました。植物には、太陽光の毒の成分を解毒する働きがあると考えられます。この植物の働きを健康に応用したのが漢方です。

皆さんがご存知の下剤に、アロエとセンナがあります。アロエはアフリカの下剤で、センナはアラビアの下剤です。一般の人が他国の民間薬を知っていることから分かるように、人類は、便秘に苦しんできました。代表的な漢方薬の下剤である大黄は、中国からロシアを経由して、ヨーロッパに輸出されました。

 

西洋薬の発達

大黄を飲むと便秘が改善することから、大黄には下剤の成分が含まれていると考えられました。であるならば、大黄の下剤の成分だけを抽出すれば、より効果の高い薬ができると考え、出来たのがプルゼニド(センノシド)やアローゼンです。このように現在の薬は精製という過程を経て作られてきました。

 

漢方薬

大黄には下剤としての働きの他に、腎機能改善作用,抗精神作用,抗菌作用,消炎鎮痛作用(アスピリンに匹敵),血流改善作用があります。他の生薬を組み合わせて大黄で精神を安定させたり(三黄瀉心湯 さんおうしゃしんとう)、血流を改善させたり(桃核承気湯 とうかくじょうきとう)します。いくつかの生薬を組み合わせて患者さんの体質に合う薬を作るのが漢方です。

 

食事

中国思想の影響を受けた我が国では、体を温めるとか冷やすということを重視してきました。体を冷やすさしみを食べるときには、紫蘇や生姜を添えます。これらは消化を助けるだけでなく、体を温めてくれます。逆に体を温める焼き魚を食べるときは、大根おろしなどを添えて寒熱を調節します。

一方、西洋では体を温めるステーキに、クレソンやパセリなどの温める野菜を添えます。東洋の思想からみると奇異な組み合わせですが、クレソンやパセリは、肉や魚の焦げめの発癌物質を除去します。これは科学を重視した西洋の思想に合致しています。

このような東洋と西洋の相違は、医学の世界にもあります。「心不全の人がドクダミを煎じて飲んでいるが、よいか」という質問を受けたことがあります。ドクダミには利尿作用があるので、西洋医学的には正しい治療法です。しかし、心不全の多くは高齢であり、新陳代謝が低下しています。このような人がドクダミを服用すると、ますます体を冷やしてしまいます。

漢方では、冷やすとか温めるということを重視して、体に合った薬を調合します。体質に合わせて薬を使い分けていることが、「漢方は体に優しい」といわれる所以かもしれません。

 

漢方を使うべき疾患は腎不全

漢方の黄耆は腎不全を改善します。1か月くらいで効果が表れますので、腎不全の人は黄耆を試してください。

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